オールドレンズ

ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウント ボケ・写り・特徴を作例をもとに紹介♪

ペンギン君
ペンギン君
広角のオールドレンズを探しているんだけどM42マウントでおすすめのレンズある?
それだったら比較的安価で、明るいレンズのペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズがおすすめだよ!

大人気広角レンズ「ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ」は、非常にコンパクトで軽いレンズです。

広角レンズ一般に言える特徴でもありますが、絞ると全体的にピントが合って見えるので、マニュアルフォーカスでもピントを合わせる幅が少ないです♪

マニュアルフォーカスがはじめての人にも、スナップショットが簡単に撮れます(^^)/

 

また、絞り具合によって、撮れる画像の印象が大きく変わる楽しいレンズでもあり、開放で撮ると粗目のボケで、現在のレンズでは出せないオールドレンズならではの味です。

同じドイツ製のオールドレンズでも、ボケ味が非常に柔らかいカールツァイス製とは違った作例が楽しめます♪破壊的とも言える大胆な背景ボケは、非常に特徴的だと思います!

 

普段使いにも、オールドレンズらしいレトロな雰囲気を楽しむにも使える、コストパフォーマンスの高いレンズです。当店でも非常に人気の高いレンズで、実際にご購入していただいたお客様からも好評の声をいただいております。

本記事では当社としてもおすすめのペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントとはどんな写り・ボケ・特徴があるオールドレンズなのか?

 

実際の作例をもとに、広角レンズらしいパンフォーカスや、オールドレンズならではのボケ味など、その特徴をまとめてみましたので是非ご覧ください♪

 

本記事のテーマ

ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズのボケ・写り・特徴を作例をもとに紹介

 

記事の信頼性

執筆者:M42レンズストア店主・武田

これまで2000個以上の中古オールドレンズを海外から輸入。

現在は、M42マウントレンズ専門店・M42レンズストアにて中古オールドレンズを販売。

>> 参考:M42レンズストア店主よりご挨拶

 

中古商品を通販で購入

 

[st-kaiwa1]当店では希少なケースが付属した状態の良い中古商品を販売しております![/st-kaiwa1]

 

当店・M42レンズストアでも状態がとても良いものを在庫豊富に取り揃えております♪

 

特徴

 

ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントは、焦点距離29mmの広角レンズ。

 

240gととても軽く、長さは5.2cmのコンパクトなレンズです!

 

29mmという少し不思議な焦点距離ですが、ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントも、ポピュラーな28mmレンズ同様、人間の視野角に近い画角を持つ典型的な広角レンズです。

 

最短25cmまで近寄って撮れ、開放絞りもF2.8と明るいので、下の作例のように花を中心にピントを合わせ、背景を大胆にぼかす、といった使い方もできます。

 

この時、バブルのように丸いボケがいくつも重なり合う傾向があります。

 

オールドレンズらしく周辺光量が落ち気味で、色味も渋めに出るため、レトロな雰囲気の写真が撮れるレンズです(^^)

 

絞ると全体的にピントが合う

 

作例:水辺の樹木

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

絞り値を少し絞って撮影をしております。

 

手前の木の幹にピントが合っていますが、背景のビル群もあまりボケずにくっきり写っています!

 

絞り開放にすると背景が大きくボケる

 

作例:つぼみ

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

絞りを開放にして撮ると、ピントが合っているつぼみ以外は、大きくボケてきました。

 

絞ったときの上記写真と背景のビルを見比べると、差がハッキリします。

 

このレンズにはかなり非点収差が残っており、ブレた残像のような2重のボケになります。

 

数値的な評価を下すとすれば、あまりパフォーマンスは良い評価ではないかもしれませんが、

 

しかし、これこそ現代のレンズでは描写できないオールドレンズらしさです♪

 

まるで漫画の集中線のよう。ピントの合っている対象だけをクローズアップする効果があります。

 

「集中線」って何?という人に絵で説明すると、こんな感じの線です。

 

 

実際入れてみると、とたんに漫画っぽくなってしまいますが、入れなくても、こんな「雰囲気」が出ていると思いませんか(笑)?

 

レトロな雰囲気を楽しもう

 

作例:公園の遊具

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

公園にある遊具を撮影してみました!

 

周辺光量おちが確認でき、四隅がハッキリと暗く写っています♪

 

昔のカメラで撮った写真は、中心から遠いところは暗く写るというのは、写真に詳しくない人でも経験的に何となく知っています。

 

そこで、ビンテージ感を出すために、わざと周辺部を暗く加工することがありますよね。

 

映画やドラマでも、古いドキュメンタリーフィルム風にするために、よく使われる手法です♪

 

こんな感じで一見短所と思われる部分をプラスに計算して撮影するのも、オールドレンズの醍醐味だと思います!

 

 

上の写真にセピア色のフィルターを掛けてみました。

 

とたんに昔の写真のような懐かしさ漂う写真になりました。

 

他にはぜんぜん手を加えていません。

 

レトロな雰囲気にするアートフィルターは、最新のミラーレスカメラやスマホのカメラにもある特殊効果ですが、この写真は本物です♪

 

なにしろ、本当のオールドレンズで撮った写真ですから!

 

作例・テスト撮影

ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズは絞りによって印象が変わるレンズです。

 

絞り値を変えていろいろなものを撮影いたしました。その中で特徴が表れている作例をご紹介いたします(^^)/

 

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

絞ると、中央部は手前の水面から奥のビルまで、ピントが合って見えます。

 

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

絞れば近くのものを撮っても、ピントの合う範囲は深め。周辺部のボケも、控えめです。

 

周辺光量も落ち気味で、昼間に撮った写真ですがまた違った印象が出ています♪

 

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

ところが開放にすると、ピントの合っているところ以外は大きくボケてきます。

 

背景は少し硬さの残るボケ味で、とても特徴的です♪

 

注意点

 

[st-kaiwa1]当店M42レンズストアでは、これまで多数のペンタコンレンズを販売してきました。 その経験を生かして、中古商品購入時に注意するポイントをご紹介いたします♪[/st-kaiwa1]

 

ヘリコイドの故障に注意

ヘリコイドの故障が結構あります。グリスが固まり、ピントリングが重くなっているものが多いです。

 

もちろん数十年も前のオールドレンズですので、当たり前といえば当たり前なのですが、中古商品をご購入する際はヘリコイドのグリス切れに注意してください!

 

ヘリコイドはしっかり回って機能的には問題なくても、気になる方は気になるのでしっかり確認する必要があります。

 

レンズ内の汚れに注意

レンズ内が汚れている個体が多いので、レンズ内の状態を確認し、綺麗なものを選びましょう。

 

中古商品は一品もの。レンズ1個1個、それぞれ状態が違います。

 

そのため、購入前にしっかり確認する必要があります。

 

 

バージョン

 

ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズは、どのバージョンも黒色仕上げで、マルチコーティングです。

 

本ページで紹介するのは、electricバージョン。

 

カメラと接続する側に3つの電子接点があります。

 

また、他に通常のautoバージョンがあります。

 

こちらでご紹介しているモデルは、電子接点があるelectricモデルとなります!

 

マウントアダプターを使用して、デジタル一眼レフやミラーレスカメラでご利用する場合は、

 

電子接点の有無は機能上関係ありませんので状態の良い一品を中心にご購入することをお勧めします♪

 

外観を写真でチェック

 

 

 

前玉はMC (マルチコーティング)が施されていて、光にかざすと紫色っぽい色合いで反射します。

 

 

electricバージョンには、後玉側から見ると、金色の3つの電子接点があります。

 

 

後玉もきれいです。

 

 

横から見たところ。最短撮影距離は、25㎝。結構寄れます。

 

 

生産国「German Democratic Republic(ドイツ民主共和国=東ドイツ)」の刻印。

 

オート・マニュアルの切り換えスイッチ。

 

動作を動画でチェック

https://youtu.be/5m5GzZkpYPQ

動画提供:オールドレンズ専門通販店 M42レンズストア Youtubeチャンネル

 

スペック・諸元

焦点距離 29mm
最大絞り(絞り解放) F2.8
重量 240g
フィルター径 55mm
絞り羽枚数 6枚
レンズ構成 7枚7群
最短撮影距離 0.25m
フォーカス マニュアルフォーカス
マウント M42マウント
コーティング MC(マルチコーティング)

 

ヘリコイド

 

ヘリコイドリングはギザギザの形状になっていて、ホールド感を高めています。

 

無限遠に合わせているときには、とてもコンパクトです。

 

 

最短撮影距離の25cmに合わせると、短い鏡胴と比べるとかなりせり出してきます。

 

絞り・絞り羽

前面からみた絞り羽の写真

 

後ろからみた絞り羽の写真

 

オート・マニュアルの切替えスイッチ A

 

オート・マニュアルの切替えスイッチ M

 

ボケ味

レンズの特徴として非常に重要なボケの確認のため、写真を撮りましたので作例をもとに見ていきましょう(^^)/

 

撮影の設定

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター

絞り(F値): F2.8 (絞り解放)

 

ボケの特徴

撮影条件によってコロコロと泡立つようなバブルボケが現れます。

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

作例:遊歩道

 

ピントの合っている手すり背後の地面がコロコロと丸くボケています。

 

わかりやすいように拡大してみます。

 

 

木の枝の間にも泡のようなつぶつぶが見えるので拡大してみます。

 

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

木の枝の間ばかりでなく、周囲と色の違うモノがすべて丸くボケています。

 

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

作例:冬の梢

 

絞り開放で撮ると、背景は二重になったような、ぐるぐる回るような、激しいボケが現れます。

 

ピントの合っている部分との差が大きく、とても特徴が出ている作例です♪

 

 

ピントが合っているポイントのシャープネス

ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズは、絞りを開放にしたときの大胆なボケに目を奪われがちですが、ピントが合致している部分は、案外シャープに写っています。

 

また、絞った場合は、ピントの合っていない部分のボケや周辺部も収差の影響が減り、素直ににじむようなボケになってきます。

 

インターネット上に画面全体を載せるために、サイズを小さくしているのでわかりくいかもしれません。そこで、元の写真のサイズを変えず、ピクセル等倍でその部分を切り取ってみました。

 

作例:F2.8でのピント合致部の写り ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウント

作例:ピント合致部

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

ソフトフォーカスな感じですが、花びらの質感も描写されています。

 

作例:F2.8でのピント合致部の写り ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウント

作例:ピント合致部

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター +ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

やはり、開放だとフォーカスはソフトな感じです。

 

このレンズ、絞り開放ではピントが合っているところではソフトな感じ、ボケは大胆に出てくるのですが、おもしろいことに絞りを変えてみるとがらっと表情が変わるのです。

 

絞りの違いによるボケ味の比較

作例:絞った場合の写り ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウント

作例:ピント合致部

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター +ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

青枠で囲んだ箇所です。開放時に比べると、シャープネスが増しています。

 

作例:ピントの合っていない箇所(写真中央部)

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター +ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

画面中央の赤枠部分です。ピントが合っていないボケ部分ですが、ほんわり溶けるような素直なボケ味になっています。

 

作例:ピントの合っていない箇所(写真周辺部)

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

一方、同じ写真でも画面の端の赤枠部分は、開放時ほどではありませんが、画像が流れてしまっています。

 

これをさらに絞ると、また表情が変わってきます。

 

作例:絞った場合の写り ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウント

作例:ピント合致部

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

青枠の部分です。非常にシャープな画像になりました。樹皮に生えたコケから胞子嚢が出ているのが、ハッキリ見てとれます。

 

作例:ピントの合っていない部分(写真中央部)

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

画面中央の赤枠の部分です。流れたりダブったりせず、クセのないボケ具合です。

 

小さく写っているとピントが合って見えるのも納得です。

 

作例:ピントの合っていない部分(写真周辺部)

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

右端の赤枠部分です。画面の縁でも流れるようなことはなく、中央部と同じくスッキリした画像になっています。

 

総評・まとめ

以上、ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズの紹介でした。

 

開放絞りでの大胆な背景ボケで、オールドレンズ特有のレトロ感を満喫するも良し。

 

絞った時のパンフォーカスで、スナップショット用常用レンズとして使っても良し。遊びにも実用にも利用できるレンズです♪

 

オールドレンズらしい味のあるレンズをお探しの方や、マニュアルフォーカスレンズ最初の一本としても非常におすすめです(^^)/

 

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その他作例

作例:公園の遊具

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ

 

 

作例:ぶらんこ

使用カメラ:Sony α7 II + レイクウォール M42アダプター + ペンタコン オート Auto MC 29mm F2.8 M42マウントレンズ